この腰痛何が原因なの?(診察・レントゲン検査・ブロック注射)②
前回は腰痛の原因になる疾患についてお話ししました。腰痛はさまざまな原因が考えられ、また腰だけでなく他の部位でも痛みを感じることがあります。今回は、腰痛の原因を特定し、診察、検査、治療方法について共有したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
腰痛の診察方法
まず、以前のブログで説明したように、問診票を用いて痛みの性質や経過などを詳しくお伺いします。急性の痛みなのか、慢性的な痛みなのかを確認します。
- 急性の痛み例:ぎっくり腰、椎間板ヘルニア、圧迫骨折など
- 慢性的な痛み例:脊柱管狭窄症、仙腸関節痛、変形性股関節症など
問診票の情報と患者さんからのお話をもとに、原因を推測し、診察を行います。
- 患者さんは診察ベッドに仰向けに寝ます。
- 足を交互に持ち上げる動作や、膝の反射を評価します。
- 股関節、膝、足首、足の指などの動きや力をテストします。
- 足の感覚をチェックし、痺れや感覚の変化があるか確認します。
- 横向きに寝返りをうって、骨盤を押して痛みの再現性を調べます。
- うつ伏せになり、また足を持ち上げる動作を行い神経症状がないか調べます
- うつ伏せのまま腰から骨盤にかけて押して痛い部分があるか調べます。
- これらのステップを踏みながら、腰部が原因なのか、それ以外の要因なのか、骨や筋肉、神経にどの程度影響があるかを判断します。
検査方法
腰痛の原因に応じて、できるだけレントゲン撮影を最小限にとどめます。立った状態で腰のレントゲンを撮ることもありますし、寝た状態でのレントゲンも行うことがあります。腰椎の変形を見るだけではなく、動きによる変化なども観察して診断に役立てることができます。
また当院では透視装置がございます。ブロック注射の針を用いて造影剤を使用し、関節の造影や神経の造影を行い診断や治療の参考にすることがあります。
診察とレントゲンで異常が見られず、より詳細な情報が必要な場合には、CTスキャンやMRIスキャンができる近くの施設での撮影を検討することもあります。検査結果の画像を基に、詳細な説明を行います。感染症に関連する場合には、採血検査が必要なこともあります。
治療方法
診察と検査の結果、原因が推測または特定できた場合、治療方法を提案していきます。
ペインクリニック外来では、内服薬、ブロック注射、姿勢矯正と指導を行います。
内服薬
急性の筋肉や骨に関連する痛みの場合、アセトアミノフェンやNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)などが一般的に使用されます。
神経に関連する痛みがある場合、神経の興奮を抑える薬物が症状の緩和に役立ちます。治療方針は、診察や検査の所見に基づいて決定されます。
ブロック注射
当院では、症状に合わせてブロック注射を行うこともあります。筋肉に関連する症状が主要な場合、トリガーポイントブロックが選択されます。関節や神経が関与している場合、硬膜外ブロックを行うことが一般的です。
その他
日常生活での姿勢が治療の重要な要素です。
歩行姿勢や座る姿勢に問題がある場合、姿勢矯正と指導、必要に応じて消炎鎮痛として指圧などマッサージを行います。
まとめ
腰痛は日常生活に大きな影響を及ぼすことがありますが、その原因は多岐にわたります。ペインクリニック外来では、原因の特定と的確な治療に取り組んでいます。以前のブログ記事に示した問診票と組み合わせて、診察と検査により痛みの状況を詳しく理解し、腰痛でお悩みの方に対応しています。どうぞお気軽にご相談ください。
患者の皆さんが痛みに関して不安を感じずに受診できるよう、今後も痛みに関する情報を提供していきます。ご質問やご相談があれば、お気軽にお問い合わせください。健康な毎日をサポートするお手伝いをしていきます。
当院ペインクリニック受診方法(川崎市中原区 東急線・JR線 武蔵小杉駅徒歩3分)
予約制となっておりますので、web予約のペインクリニックから保険証・医療証等登録していただき受診していただきますようご協力をお願いします。紹介状や以前に検査した画像がある場合はご持参ください。